中学校3年生の10月。
その時点で何の進路も定まっていないのは、
うちの息子くらいのもんでした。
もう本気で考えなくては、取り返しのつかないことになる時期だというのに、
「高校になんていかない」の一点張り。
よくよく話を聞いてみると、
「俺はミュージシャンになる」って…おい、昭和か?
確かに、趣味でギターをやっているし、
腕前もそこそこ。
だからと言って、今すぐプロになれるはずもないのに…。
でも、まったく聞く耳を持たない息子。
とにかく、いう事と言えば「高校になんていかない」ばかり。
情熱的なのはいいけれど、
今ここできちんと考えなくては、絶対にいけないのに…。
中学から先の進路は、自分が動かなければ開けないのに…。
大人じゃない、子供でもない。
揺れる思春期のジレンマは、苦しいんですよね。
でも、グダつくだけじゃダメなんです!
この時点ではまだ、私にさえ全日制以外という考え方は無くて、
当然息子も、
普通科へ行くか、いかないかの2択の中で立ち往生していたのです。
実は、我が家がある地域は、高校が充実しておらず、
選択できる高校は、たった3つです。
3つの高校は、学力レベルとしてはほとんど同じで、
場所と制服が違うくらいの差しかありません。
場所は、1か所は自転車で10分。
1か所は自転車で20分。
もう一か所は自転車で50分。
自転車で50分なんて、ありえない!と思うかもしれませんが、
このあたりでは全員がそのようにして通学しています。
そして、みんな通いやすさや制服などで高校を選ぶのです。
息子の話を聞いていくうちに、このような環境の中、
なんとなく周りに流されて高校に行くことに、疑問を感じた
のだという事が理解できました。
それでも、主人も私も、どうしても高校だけは、という思いがあり、
溝がどんどん深まって、親子仲まで悪くなっていきました。
友人に第一高等学院のことを聞いて、
選択肢の一つとして浮上するまで、
親子の平行線は、一切交わることなく、
我が家には、常に不機嫌なムードが漂っていました。